オスカー賞やアカデミー賞、アメリカの映画界の華やかな雰囲気が伝わるイベントですよね。
5月はアメリカの学校では学年末にあたるのですが、この時期は1年間学校で頑張ったこと
(例えば、算数や理科など各教科でトップを取る、休まず登校した皆勤賞、生徒会活動の
積極的な参加など)
を生徒や保護者の前で大々的に表彰する行事がどの学校でも大抵行われます。
算数担当先生、理科担当の先生、ダンス担当の先生など色々な先生が
順番に壇上に上がり、マイクで
「英語のグラマー部門での今年のアワード受賞者は、、、、、○○です」
(アワードとは賞のことです)
と発表し、客席は拍手!(生徒と保護者が拍手です)
呼ばれた子は壇上に上がり、トロフィーやメダル、賞状などを校長先生から受け取り、
皆から称賛の拍手を浴びます。
アカデミー賞授賞式さながら・・です。
我が次男もいくつか賞をもらうことができ、私は期待していなかった分、
嬉しい驚きでした。
式が終わり、親が子供達の席に皆カメラやビデオを持って集まります。
いくつも賞をとってジャラジャラとメダルを提げている子。
賞状を嬉しそうに親に見せている子。
親も「良くやったなぁ!」とハグをして一緒に喜んでいる親子。
私も次男に駆け寄り
「きゃ~、やったじゃない!おめでとう!」
とハグをして心から喜びを表現していました。
写真を撮ったり、友達と見せ合いっこをしていたり、和やかな雰囲気だったのですが・・・。
「なんでお前はたった2つしかアワードを取れなかったんだお父さんはがっかりだ!」
と子供を叱っている両親がいました。
その子は賞状を胸に抱いて、悲しそうにうなだれていました。
次男は
「彼は算数や理科とか、オーナーズクラス(上級クラスのこと。
息子の学校ではいくつかの教科はレベル別3段階に別れて授業を行います)
で、すごく頭の良い子なんだよ。
2個だってすごい事なのに。なんだかかわいそうだよ。」
とつぶやいていました。
この授賞式は1年間の結果の集大成。
アワードは全員の子が選ばれるわけではなく、何かしら頑張った子たちに贈られるもの。
自分の名前が呼ばれ、壇上に上がる子供達の顔は
どこか恥ずかしそうで、どこか誇らしい表情を皆していました。
きっとその子も嬉しい気持ちで壇上で賞状をもらっていたはず。
でもこの男の子に待っていたのは
「良くやったわねぇ~。お父さん嬉しいよ!」
ではなく、
「なぜお前はたった2つしか取れなかったんだ!」の責める言葉でした。
でも、こういうことって私達にもないでしょうか?
褒める言葉なしに、叱ってしまうこと、責めてしまうこと。
特に子供やパートナーや親など自分の近い存在に。
運動会の徒競争で2位だった子に
「もっと頑張れば1位を取れたのに」と声をかけてしまうこと、
とか、
お皿を洗って「僕ってすごく頑張ったでしょう」と思っている夫に
「ちょっと、お皿洗ったら流しの周り、水気をふいておいてよ。
前にも言ったでしょうなんで出来ないのよ」
と洗ってくれた感謝の言葉よりも先に責めの言葉が出てしまう。
とか、
「ボーナスが出たよ」
と言われても
「たったこれっぽっち」
と返してしまったり。
責めてしまう側はきっと、「期待」をしているんですよね。
きっと先のお父さんは
「うちの子にはもっと賞を沢山とれるような、すごい子になって欲しい」
「もっと頑張ってほしい」
という期待から
「たった2つしか・・」のセリフが出てしまったのでしょう。
この様子を他人の私達が見ると
「まず褒めてあげればいいのに・・・」
と感じるのですが、
自分の子供など身内になると、このお父さんと同じことをしてしまいがちな気がします。
次男が言いました。
「僕ママの子でよかったなぁって思うんだ。」
「なんで?」
「だって、今日のアワード、NO サイレントランチのアワードでもこんなに喜んで
くれるんだもん。僕嬉しかった。
来年はもっと積極的になってもっとアワードもらえるように頑張る」
そうなんです。サイレントランチとは学校での罰則の一つで、
クラスで私語が多かったり、忘れ物をしたりなど、何か先生に叱られた時に
「一言もしゃべってはいけないテーブル」というのがランチルームに用意されていて、
そのテーブルで1度も食べなかったら「NO サイレントランチ」の賞がもらえるわけ。
つまり普通にきちんとしていたらもらえる
賞を息子はもらいました。(なので特別出来が良いわけではないんですオヤバカ・・・)
その賞でも私は充分嬉しかったんです。
息子の反応やその男の子の反応を垣間見て、何か叱る、責めるときは
叱る言葉だけではなく、
褒めの言葉も一緒に伝えると良いのかもなぁ・・と実感しました。
今日もブログにお立ち寄りありがとうございます。
皆さまにとって良い一日でありますように