ドイツで長男がインターナショナルスクールに通っていた時のクラスメイトのママで、「マダム」と呼ぶにふさわしい雰囲気の女性がいました。
彼女は仕事帰りに学校にお迎えに来る時は「ばしっ!」とパンツスーツを着ているのですが、普段はGパンに白のシャツととてもシンプルな服装。
でも、どこか上品なんです。持ち物も特に目立ったブランドのものではなかったのに。
いつもにこやかで、男の子双子のママなのですが、動きもせかせかしていなくて、ゆったり・・・なのです。
息子が放課後その友達の家に遊びに行くことになったので、家までお迎えに行くことにし、名簿から住所を探そうとした時、名前のミドルネームに「VON」と入っていることに気がつきました。この名前は貴族の血をひく・・・ということを表します。
「えぇ?彼女貴族出身なの??」と、一瞬ベルサイユのばらのオスカルが目の前に浮かびました。
彼女の家にお迎えに行くと、3階建てのとても荘厳な家。チャイムを押すと彼女が笑顔で迎えてくれました。
庭で子供達は遊んでいるということだったので、その間に家の中を案内してもらうことに。
彼女は大きな立派な書斎を持っていて、部屋の天井も高く、大きな机は木で造られた、とても重厚な感じのもの。
職業を訊くと、弁護士ということでした。
「貴族出身で弁護士なんて、すごいセレブじゃない!!驚いたよ。」
と私が言うと、
「貴族って言っても現代では何も特別なことはないのよ。」と笑って答える彼女。
でも確かに雰囲気はとても上品で優雅でした。
英語とドイツ語を混ぜて話していたので、言葉使いまでは私はわからなかったのですが、伝わる雰囲気は
人種や文化を超えるものなんですよね。
彼女のように内側から出る気品は、どこからくるのでしょう?
普段何気なくしている動作、しぐさには私達の教養や品格が出ると言われています。
しぐさには私達の人生(どのように生きてきたか?)が出てしまいます。
品位はお金では買えません。毎日毎日気をつけて、何年もかけて自然に身についてくるもの。
今からでもすぐに取りかかることができ、なおかつ効果が表れやすいものに、
姿勢、歩き方、しぐさ
があります。
普段あまり気がつきにくい事ですが、実は「姿勢が良いだけで教養があるように見える」という事実があります。
姿勢よく立っている状態というのは、肩、腰骨、くるぶしがきれいに一直線になっている状態です。
これと連動しているのが歩き方。
私もキャビンアテンダントの訓練センターでは歩き方のレッスンもうけました。
前のめりやふんぞり返った歩き方にならないよう、両方の腰骨を前に異動させるようなイメージで歩くときれいに歩けます。
そしてしぐさですが、「立ちあがる、座る」というのはとても頻度の多い動きですが、これを少しゆっくりめにするととても落ち着いたしぐさに見えます。
そしてものを指し示すとき、人差指で指し示すのではなく、手のひら全体で親指以外の4本の指をくっつけてて「こちらです」のように指し示すと人差指一本で示すよりずっと優雅に見えます。
人の話を聴くときは必ずあいづちを打つこと。きちんとこちらの話を聴いてくれていることがわかり、とても好印象をもたれます。もちろん顔も相手に向けることは必須です。
先のドイツ人のママは、職業も影響しているのか、話を聴くときは「うんうん、それで?」のようにとても一生懸命
話を聴いてくれ、歩く時も姿勢よく、とても堂々としていました。
けれども高慢さは微塵にも感じられず、むしろ話の聴き方が一生懸命なので「謙虚」な印象さえ与えていました。
Gパンに白のシャツという服装でも、「品のある優雅さ」は醸し出せるんですよね。
私もそんな女性を目指して、日々生活の中で訓練中です。
今日もブログを読んでいただき、ありがとうございました。
皆さんにとって良い一日になりますように