先日の講座「罪悪感と無価値感〜幸せに生きるために知っておくべき心の仕組み〜」で頂いたご質問の中で、講座内でお答えできなかった分の解説をこちらでしようと思います。
いつもありがとうございます、カウンセリングサービスの沼田みえ子です。
父親の存在は仕事に大きな影響を与える
友達で仕事がうまくいかない人がいるのですが、中学生の頃父親に性的にいたずらされていたと聞きました。そんな彼女をどのようにして癒してあげられるのかわかりません。私ができる彼女への言葉がけなどありましたら教えてください。
今回のご相談者さんは、アスパラさんにしようかな。
昨日みずみずしい佐賀県産のアスパラを手に入れて、美味しくいただいたので。
アスパラさん、ご相談をありがとうございます。
お父さんに性的にいたずらをされたとありますが、お友達は本当に嫌な体験をされましたね。
でもそれほどのプライベートなことを打ち明けてくれたとしたら、とてもアスパラさんのこと信頼しているという証でもありますね。
まずは心理学の基本になりますが、お父さんという存在は「社会、権威の象徴」と私たちは捉えます。
多くの家ではお父さんが家長、世帯主となり、主な稼ぎ手でもあるケースが多いからです。
お父さんとの関係性が良いもの、例えば
お父さんのことがとても好き
お父さんは私の味方
と捉えていると、
社会は私を優しく受け入れてくれる
社会は私をきちんと評価してくれる
社会は私の味方
と感じられるようになります。
子供時代の身近な社会は学校であり、大人になるとそれが職場に当たります。
学校での権威者は先生となりますが、最初から「先生は私の味方」「先生は私を生徒として好印象を持ってくれる」と思えているので、先生に話しかけたり質問をしたりと積極的に関わろうとすることでしょう。
結果、先生から可愛がられる生徒となるはずです。
職場での権威者は先輩や上司となりますが、やはりここでも「上司は私の味方」「私のことを好感的に評価してくれるはず」と最初から思えているので、上司の懐にスルッと入ることができ、結果評価され可愛がられるので出世も早くなります。
ところがアスパラさんのお友達は、お父さんに対して正直嫌悪感満載だと想像がつきます。
自分に性的なイタズラをしてきた父親なんて、「⚪︎ね!」くらいの最大級の憎悪の気持ちを持っても当たり前なくらいの体験をしているわけです。
だからこそ仕事がうまくいかないのも、当然の流れなのかもしれませんね。
嫌いなお父さんへの嫌悪感を少しでも減らすには?
信じられない方もいるかもしれませんが、私たち女性は小さな子供時代に「お父さんのこと大好き!」「お父さんと結婚したい!」と思っていた時代があります。
でもそんな大好きなお父さんを大嫌いになるとしたら、それだけ酷いことをされたはずです。
そんなお父さんをもう一度好きになるなんて無理!!と思うのも無理はありません。
顔も見たくない!
もう関わりたくない!
そうも思うかもしれません。
ただ「お父さんがなぜあのような行動を取ったのか?」と、お父さんの置かれた状況や当時の心理を理解しようとすると、関係性改善の第一歩が踏み出せるようになります。
関係性改善のステップは、
理解し、感謝できるところを探し、最終的には許しと進んでいきます。このステップでお父さんとの関係を受け入れていくのが基本的なステップです。
でも正直私個人的には、性的ないたずらをもし父親が私にしてきたら、そんな理解なんかしたくない、絶対に!!と思うでしょうね。
それくらいお友達のお父さんの犯した罪は、私は重いと思います。
まして中学生って一番性に敏感な時ですしね。本当にこのお友達に私も心から寄り添いたいです!!
性的なトラウマを癒すには
性的な被害に過去にあってしまった体験は、私たち女性の心に深い傷を残しますからカウンセリングでもとても丁寧に扱います。
そういう意味では実はアスパラさんがその傷に触れていいのかどうか、お友達に確認を取る必要が出てきます。具体的には、そのテーマに触れていいのかどうか確認することが大事なのです。
性的なトラウマの話は、プロカウンセラーの私にさえ何度か面談カウンセリングに通ってクライアントさまが私に対して信頼する気持ちが持てて初めて打ち明けてくれるケースが殆どです。
それくらいとてもデリケートな案件なのですね。
このトラウマを抱えている人は、「私は汚れている」と自分が汚い存在だという罪悪感を抱えてしまうことがとても多いのです。
その罪悪感を洗い流すことができると良いのですが、これは面談カウンセリングのイメージワークの域に入ってしまいます。
または別のアプローチ法として、トラウマを作ってしまった過去の自分を今の自分の手で受け止めて守ってあげる感覚をイメージする手法もあります。
でもどちらもとても慎重に扱う手法ですから、アスパラさんがお友達にしてあげることは現実的ではないかもしれませんね。
性的なトラウマは本人が話せるタイミングで話してもらう方がよく、こちらから話を振ると返って過去を思い出して辛い思いをするリスクを背負うことになります。
なのでアスパラさんが今できることとしたら、お友達がその話題を自ら話してきた時に、
「本当に辛かったよね」
「嫌だったよね」
「そんな話、きっと誰にも言えずにずっと抱えてきて辛かったね」
「同じ女性として、本当に許せないよ!」
そのように全面的に寄り添ってあげることでしょうか。
お友達思いの、お優しい方なのですね、アスパラさん。
なので性的なトラウマに限らず、お友達の色々な気持ちに共感して寄り添ってあげるといいと思いますよ。「お仕事あれからどう?」「何か私にできることある?」そんな言葉をかけてあげるのもいいかもしれませんね。
アスパラさんのお友達が少しでも幸せに過ごせますように。

明日から三重県の熊野古道に出発しますので、ブログは4日ほどお休みします。次回もご相談にお答えしますね^^